院長執筆の「お坊さんが参加する地域医療 「お坊さんと話そう」」の記事、斉藤内科での活動が
臨床僧の会・サーラの「活動記録」に掲載されました。
中外日報 2014/10/24 宇都宮斎藤医院でのセミナー が紹介されました
医療現場での協働模索 医師、僧侶がセミナー
栃木県立がんセンターなどの医師や医療の現場での活動を模索する僧侶らが19日、宇都宮市の斎藤内科小児科医院でセミナーを開いた。がん患者やその家族なども含め約70人が参加。終末期の医療で医師と宗教者が協働する可能性を語り合った。
主催した同医院では、昨年10月から河又宗道・臨済宗南禅寺派月洲寺(東京都台東区)住職を傾聴ボランティアとして迎え入れ、今年4月からはもう1人が加わって月に1~2回、僧侶が患者の相談に乗っている。
河又住職を紹介したのは京都に本拠を置き、医療や福祉の現場での僧侶の活動を推進する「臨床僧の会・サーラ」。医療現場への僧侶の立ち入りには病院側に壁があるが、関係者は積極的に門戸を開いた同医院での活動に期待をかけてセミナーに臨んだ。
サーラ代表の佐野泰典・臨済宗妙心寺派法輪寺住職は2011年に発足して以来、がん患者の会や患者サロンでの傾聴活動などを報告するとともに、病院内で活動することの難しさを訴えた。
小山靖夫・県立がんセンター名誉所長は「仏教者が、(葬儀だけではなく)日常の中に入ってくる兆しを感じることができてうれしい」と医療現場で躍動する僧侶にエールを送った。
医療関係者の一人は「医師が白衣をまとっている時点で、患者は『最期を見てもらう』という意識が働き、絶対に医師とは対等にはなれない」と述べ、患者に寄り添う宗教者の活動が必要だと訴えた。他方、「最終的には医師の責任になるので、僧侶を病院に入れることは簡単ではない」との発言もあった。(詳細は2014年10月24日号をご覧ください)
[online]臨床僧の会 サーラ メディア報道より
http://www.rinshoso.net/メディア報道/
宇都宮 齋藤内科での活動
宇都宮の齋藤内科で在宅医療で患者さんと交流を深めております。定期的に訪問して病院内で皆さんのお話を聞かせて頂いたり、先生の往診に同行してお話しを伺っております。
[online]臨床僧の会 サーラ 活動記録より
http://www.rinshoso.net/活動記録/
お坊さんが参加する地域医療 「お坊さんと話そう」
臨済宗南禅寺派月洲寺の河又宗道住職に、昨年10月から月1回当院にお越しいただき、1日5名程度の患者さんとお話ししていただいています。本年2月末までに12名の患者さんとお話ししていただきました。なかには複数回(最高5回)お話しされた患者さんもいます。
この会を始めて5ヶ月がたち、患者さんに河又住職とお話しされた感想を聞いてみました。
参加された患者さんは男子が1名、女性が11名と圧倒的に女性が多く、年齢は50~90歳代で、様々な悩みや不安を持っておられます。
大病を患って入退院を繰り返している方。ご主人が突然亡くなられ、その後うつ状態になった方。ICUで生死をさ迷い、退院後体調がすぐれない方。家族の介護で若い頃から長年大変な苦労をされ、現在、ご自身も体調を崩され入退院を繰り返している方。息子夫婦に全く生活の面倒をみて貰えず、毎日ひとりで妻の介護をしている高齢の方。仕事上の悩みを持った方などです。
会話はお茶を飲みながらリラックスした雰囲気の中で行われ、終了後の感想は、全ての方が「気持ちが楽になった」とのことです。
更に、「すごく楽しかった」「親身になって貰って有難い」「何を言っても、ニコニコして受け止めていただいた」「他人には話せない長年の苦労話を聞いて貰い、気持ちが落ち着いた」「一方的にしゃべったが、それを受け止めてくれた。初めてお会いした割には話しが弾んだ。話してよかった」「悩んでいることに寄り添っていただき有難うございました。住職を身近に感じた」「優しく話を聞いていただき有難かった。モヤモヤがとれた感じですっきりした」「別に悩みがあって行ったのではないが、好きな言葉の話しをして楽しかった」などの感想がありました。
これらの言葉は、私の37年間の診察で聞いたことがない感動的な内容でした。
お話の最後に、小さな白い紙に患者さんとの語らいをまとめた言葉を書いて、その場で解説・説明して一人ひとりに渡して下さるそうで、皆さん感動しておりました。
「中国へ行って修行してきたのかな、と思うほど字がとても上手。大切に財布に入れております。よい経験になりました」とおっしゃる方がいました。
会話する時間について多くの方が「これぐらいの時間でいいのでは」と言われていましたが、3名の方が「もう少し時間が欲しかった」と言われました。「また次回も話してみたい」と言われる方もいて、この会を始める前の「患者さんが来てくれるのか」という心配が嘘のようです。今後、もう少し回数を増やす必要があるのではないかと感じています。
現在、多くの患者さんは身体の病気と共に、日常生活のストレスによるこころの悩み(病気)を同時に患っておられます。この両者を治さないと、患者さんは健康であると感じることができません。前者にたいしては、全てではありませんが、私は医師として対処できるのですが、後者に対しては能力的にも時間的にも全く無力です。
そこで、河又住職にお願いしたのですが、これまで書いたようなとても素晴らしい結果が得られました。改めて、厳しい修行をされた住職の力に感動しました。
今後、河又住職に続いて多くのお坊さんにこのような会に参加していただき、少しでも多くの患者さんのこころの悩み(病気)を治せたらと願っています。
最後に、河又住職におかれましては、お忙しい日々にもかかわらず、遠くから当院にお越しいただき、患者さんの気持ち(こころ)を幸せにする貴重な時間を設けていただいたことに、深く感謝いたします。
今後とも、よろしくお願い致します。
斉藤内科小児科医院
院長 斎藤芳國